吉池安恵ブログ 第三回

カップルカウンセリングと聞いて、皆さんはどんなことを思われますか?最近色々なところで耳にすることがあるけれど…実際は何をするのだろうと疑問をお持ちの方も多いかもしれません。


ところで、日常的に使われているカップルという言葉は、正確には人間だけで無く物や動物などにも使われ、対になった一組のことをいいます。ダンスやゲームのパートナー、仕事の相棒など当然色々な組み合わせ、カップルがあるという訳です。ただ、カップルカウンセリングの場合は“好意を寄せ合っている二人一組のカップル”に対するカウンセリングをいいます。


いきなり細かいことを言い出して何だか、七面倒くさいな~と思われるかもしれませんが、物事を一括りにすることは、括られたことで傷つく人、括られなかったことで傷つく人を産む危険があります。私は、カウンセラーとして、誰かを排除したり、傷つけたくはありません。出来るだけ自分をオープンにしておきたいというのが願いです。とは言え、80歳に近い旧びた、手垢の付いた人間ですから、意図せず傷つけることもあるかも知れません。それを恐れて何も言わないと言うのも私の本意ではありません。ですから、最初に少しでも私の立ち位置をハッキリさせておきたいと“カップルの定義”など、ぐだぐだと書いています。


というわけで、本題に戻ると、私のもとを訪れるカップル(時には一方のみのこともあります)はパートナーとの生活に何らかの葛藤を抱え解決したいと願う人。或いは今後ステディな関係を結ぶに当り、お互いが相応しいか。二人にとっての課題は何かについてアドバイスを得たいという人たちが主になります。


実際に、生活場面ではいろいろな問題が起こりますが代表的なものを上げてみると、


コミュニケーションがとれず家の中には会話がない。話すことは子供のことか、生活上必要な伝達のみ。どちらかが一方的に話し、他方は聞いているのみ。こうした状況が一生続くと思うと、子供が巣立った後二人の生活はどうなるのか。耐えられない。今のうちになんとかしたい。


カップルのどちらかが浮気をした。そのことで関係が冷え切ってしまっているが別れたくはない。なんとか修復したい。


最近口を開くと喧嘩。こういう関係は嫌だがどうしたらよいのか分からない。


パートナーがDVでなんとかしたい。

など、など多岐にわたっています。


親に相談する。友達に相談する人たちも勿論いるでしょう。でも、自分の気持ちのはけ口にはなってもなかなか解決にはつながらない。或いは身内や友達には話したくない。どちらの味方でもない第三者でプロに話を聞いて貰いたい。そうした人たちがサポートや解決を求めてやってきます。


30年以上こうしたカップルと向き合っているうちに、当然ながら育った家庭や社会環境、時代により、様々な考え方のあることが分かってきました。大きくいえば人生に対する考え方の違いです。ひとつは個人の幸せを第一に考える生き方。もう一つは子供を含め、家族の幸せを中心に置く生き方です。


私の経験から見たところ、かつての日本人はどちらかといえば家庭の存続、幸せを第一に考え、そのためなら個人の多少の犠牲は仕方が無い。どんな人間関係にも問題はある。家族の、取り分け子供の幸せのために親が耐えるのは仕方が無いと我慢する人たちが多かったように感じました。


ところが、平均寿命の伸びと共にカップルが向き合って暮らす時間が長くなるにつれ、我慢には限界がある。何十年も我慢し続けるわけにはいかないと考える人たちが多くなってきたように思います。この傾向は今後ますます強くなっていきそうです。


一人、一人が幸せであり、しかもカップルとしても幸せであること。そのためにどうしたらよいのか。破綻した結婚、幸せな結婚、修復できる関係、出来ない関係など、カウンセリングの場だけでなく、自分自身の長年の人生のなかで、周りでたくさん見てきたさまざまな具体例の中から学び取った知見を総ざらいして一緒に考え、サポートしていく。それがカウンセラーとしての私の役目です。


何度も離婚を繰り返している人は、同じことを繰り返さないためにどうしたらよいのか?心理学的なアプローチで一緒に解決を探ることもします。

カップル二人の関係だけではなく自身の生き方を見直し、その上で、残りの人生を幸せに生きる道を探る手助けをする。何度も言いますが、クライアントとカウンセラーは一つのチームです。一人で悩むのではなく一緒に考える。それがカップルカウンセリングです。

閲覧数:58回

最新記事

すべて表示

第十四回 私の一番重かった責任 子供の頃から80才の現在に至るまで色々な責任を負って来ました。 自分の部屋を掃除する責任。母が帰るまでにお米を研いでおく責任。今考えると大した責任ではありません。でも、子供の頃は忘れないようにと何時も自分に言い聞かせていました。学校でも、与えられた委員の役割に応じた責任がありました。これも今考えると大したことではありませんでした。 社会人になってからは会社で与えられ

第十三回 あなたはお冷やご飯をどうしますか? 温かいご飯のおいしさは日本人なら誰でも知っています。イタリアンやフレンチ、西洋料理でパンに慣れきった若者でもやっぱりご飯大好きという人は多いようです。でも、炊きたての美味しいご飯は時間とともに冷めてきます。翌日には完全に冷め切っています。冷えた残りご飯をあなたはどうしますか。もう冷たくなったからと捨てますか。勿論そういう人もいるでしょう。でも、多くは無

第十二回 異文化間カップルの直面する問題(その二) 愛情表現の違い 異文化間カップルの戸惑うひとつが愛情表現の違いのようです。関係を深めていく中で経験する情熱的な言葉やセックスなどはある意味素敵です。「一生こういう関係でいたいな~」と思うかもしれません。 ところがいざ一緒になり、時がたち、子供が生まれ忙しくなってくると、日本文化の中で育った女性や男性は子供や仕事が第一になりがちです。義務を優先する